バランスの取れた食事をすること、日常的に運動習慣をつけること、十分な睡眠時間を確保すること等を考えるのではないでしょうか?これらは全て健康を保ち促進するものであり、生物は本能的にこれらの必要性を理解しています。
そして、正常な食事、運動、睡眠、排泄は「身体」の機能を高めるのと同時に、もう一つ大切なことも正常にしています。
それは、「心」「精神」です。
ご存じのように、健康という日本語の語源は「健体康心」です。 いくら身体が屈強であっても、心に思い煩いがあれば、それは健康とは言えません。逆もまた然り。人の「心」と「身体」は、自転車の両輪の如く常にバランスをとっています。
心や精神は目に見えるものではありません。そのため、この物質社会においてそれらは蔑ろにされ、分かりやすい物質的な「身体」のみに焦点を当て健康維持を目指してきました。そのため、原因不明の体調不良や検査のデータは正常であるにも関わらず明らかに病に苦しんでいる人がいるのです。
片輪のブレーキを思い切り踏みながら全力で前に進もうとしている状態を何年も続けていたらどうなるのか、これは自明の理です。
健康管理とは、何が自分に心地良いのかを知ることです。この食事をとって幸せを感じるのか、運動をして気持ちが晴れやかになるのか。その行動をすることで自分がどう感じるかということに焦点を当てる事が大切になってきます。さらに付け加えるとすれば、無農薬の野菜を食べたり、洗いたてのシーツでゆっくり眠るなど「身体」が喜ぶことをすれば、もう片輪の「心」も満たされるということです。
鍼灸治療は、バランスを崩してしまった「心」と「身体」を整えるのに役立つものです。健康管理、健康維持のために活用していただけたらと思います。