鍼灸というと“中国”なイメージですが、カスタマイズ能力の高い日本、特に江戸時代に日本の鍼灸は独自の発展を遂げてきました。
まず、使っている“鍼(はり)”が違います。
日本の鍼は、痛みはなく、やさしい刺激にする為に、鍼を細くやわらかく、先尖も丸くしました。しかしそれでは身体に刺すことができないので、管に入れ、鍼の長さをわずかに管よりも長くすることでやさしく鍼頭をトントンと叩くだけで痛みなく刺せるのです。
江の島に杉山神社があるのをご存知ですか?
実は、鍼技術が下手で破門にされた杉山和一という人が、「痛くなく鍼を刺す智恵をお与えください」と弁天様に願い、この管を使った鍼技術を得たということで、杉山和一さんも祀られているのです。
中国では管がないので、刺しやすくするために、太くて固くて鋭いものを使います。
ただし、近年は中国でも繊細な鍼を求められ、こっそり日本の鍼も使われ出しているようです。
さらに、小児鍼も江戸時代に産まれた日本オリジナルで、これは刺さずに、皮膚をこすったり、つっついたりするような道具を使います。
小児鍼についてはまた今度!